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would you marry me
大森靖子という少々口の悪い女の子のに出会ったのは2011年の12月18日。トリプルファイヤーの、その年の最後のライブの後に行った高円寺のかつやだった。

普段自分はライブ後は酒を煽りその日にあったことの殆どを忘れてしまうのだが、この日はライブとそのあとのこともとても良く覚えている。 ライブ中何があったか、その後誰と何を話したか、更にはつやで自分が何を注文したかも覚えている。

別段その日彼女が印象的なわけではなかったのだが、「女性でここまであけっぴろげに物申すヤツも珍しいなあ」というのが第一印象であった。

そのあとは対バンするでもなく、ライブ後にいく日高屋などによくいるメンバーという認識だった。

そんななかでも歯に衣着せぬ物言いや、その物言いの切れ味の鋭さはいつも印象に残っていた。

そういう風に彼女との関係を築きつつ、顔見知りとなった後でも実際に大森さんのライブを見る機会に恵まれなかった。
実際に彼女が歌う姿を観たのは去年の4月が初だった。

それは笹口騒音ハーモニカとのインストアライブで、ちょうど仕事を早く上がれる日だった。 自分は暇を持て余していて、東京真空地帯の田中先輩に誘われてそのイベントを知りなんともなしに下北沢に向かったのであった。


下北のユニオンで最初に彼女の歌を聞いた時、その醸し出す圧力に胸焼けがした。

はっきり言って早くこのライブが終わって欲しいというのが本音だった。この時に抱いた感情は音楽的な良し悪しは関係なくて、ただただ彼女の発する歌の圧力に当てられたというものだった。
その圧力に内包されるパワー、客を魅了する熱量があることは十分にわかってはいたが、そのドスの効いたライブに慣れるまでは、数回ライブを体験する必要があった。


そんなこんなで何度か対バンやら客として観るうちにその圧力に慣れ、彼女の音楽をフラットな心持ちで受け止めることが出来たとき、彼女が何故人を引き付けることがきるのか心から理解することができたし、いち友人として音楽/ライブに対する思いを聞いた時に、ごく自然にあの凄みを出すことが出来る理由を理解することが出来た。

彼女のライブの魅力はいろいろな魅力があるが、その一つに「タイマン性」というものがあると思う。

何時だったか彼女が言っていた「(無善寺時代によくあったらしい)客が一人のライブで、『目の前にいる客』に好かれなかったら私は終わりだ」という言葉は、彼女がどんな大勢の人の前でやっていてもブレない理由の一つを言い表していると思う。

自分はライブをやるときに観客の反応、好きになるかならないかということは絶対に考えない。
よく言えばそこにコントロールされないようにしているし、悪く言えばその視線をおざなりにし、見ないようにしている。

しかし彼女はその観客との一対一、観客の目線と耳と心と自分と自分を鎖で繋いで殴りあうチェーン・デスマッチを続けている。 その覚悟にまだ自分は達していない。音楽性の違いといってしまえばその通りだが、彼女の修羅場のようなライブを観たあとでは、その凄みに到達できない言い訳に聞こえてしまう。



普段自分は共演者に対し敗北感を持つことはない。それ相応に自分たちのやっていることに自負があるからである。 しかし、先日彼女と合同で行ったインストアライブでは、久しぶりに敗北感を感じた。 彼女の喉元に突きつける歌のドスに自分たちは負けたと思ったし、自分も彼女のライブを冷静に見れなかった。それくらい先日のライブはパワーを持っていた。自分がこれまで観たライブの中でも一番の出来だったっと思う。


彼女は決して音楽性が特段優れた曲を作曲しているわけでないし、歴史に残る文学的な歌詞を書いているわけではない。

彼女自身よりよっぽど音楽を聴いているであろうそこいら意識の高いバンドマンが空っぽの頭をこねくり回してやっとたどり着けるところにきゃらきゃらと笑いながら5段飛ばしで登っていく。

その才能は本当に憎たらしいが、同時に畏敬の念を覚える。

ただ今言えることは大森靖子と共演できては本当に光栄である、ということである。

名古屋のライブ、そしてインストアライブで共演出来たことを心から感謝する。

貴女は本当に、真の素晴らしい才能のある音楽家だ。

(自身の歯クソほどの)プライドを捨て、そして音楽へ。

本当に楽しいインストアライブをありがとう。

いつか貴女を跪かせるライブをしたいと思う。


大森靖子に胸いっぱいの感謝と畏敬の念を込めて、今日はこのへんで。
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